2019.06.25 Tue

ダイレクト出版

かしこぶり

To: ダイレクト出版のみんなへ

From: 小川忠洋


人間には「承認欲求」という自然な欲求がある。だから、人から認められたい、スゴい人だと思われたい、ユニークな人間だと思われたい、、という気持ちがあって当然。だから、それがあることを恥じることはないけど、何事もバランスで、度がすぎると毒になる。

みんなも気をつけてほしいんだけど、仕事が、どんどんできるようになる人は、「自分ができない」「自分は分からない」という事を、認識して、それをガンガン聞いて、教わることができる人。あるいは結果を早く出すひとは、できない自分を認識して、人の助けを躊躇せずに借りることができる人。こういうタイプが、どんどん結果を出すし、どんどん技術を身につけて、成長する。

3年前くらいかな、Aくんがすごい結果を出すのが早かった。その頃は、彼も新人だから技術なんて大したことない。だけども結果を出してた。「なんなんだろうね?」って話をしてた時に、「彼は先輩に教わったりの力を借りたりするのがすごく上手いんですよ」って誰かが言ってて、なるほどなと思った記憶がある。今ではご存知のとおり、めっちゃ頼れるリーダーになってる。(普通の26歳がやってる仕事のレベルじゃない。)



ところが、承認欲求が強すぎたり、あるいは、それが十分に満たされてないと、「できない自分」を受け入れることができなくなる。できない自分を受け入れられないと、『かしこぶり』つまり、"知ってるフリ"あるいは"できるフリ"を、してしまう。だから、周りに教わることもできないし、周りが助けてくれることもない。

そして、恐ろしいのは、ホントはできないんだけど、『できる自分』を演じているうちに、自分自身も騙されてしまうんだと。だから、演技してるのか本物なのか分からないと。そして、できない自分に直面することが怖くて、そこから逃げ続けてしまうんだと......



才能はある。能力もある。でも精神的な弱さが足を引っ張ってしまう、、、

大切なのは、謙虚さ。



・自分の分からない事は分からないと言うこと
・自分のできない事はできないと言うこと

まるで小学生の授業みたいだが、実際そうなんだよね。そして、助けを周りに求めること。助けを求める相手が、年上だろうが年下だろうが、先輩だろうが後輩だろうが関係ない。

大切なことは、自分ができる人だって思われることよりも、成果を出すこと。モノゴトを前に進めることだ。



ホントにできる人は自分がどう思われようが気にしない



自分の無知、無力を隠していると、ただただ、時間が余計にかかってしまう。人間、100%完璧な人なんていない。誰だって、欠点があるし、無知な部分もある。それをさらけ出さないと周りも迷惑だし、仕事も前に進まない。



余談だが、おれはキチンと管理したりする仕事がとても苦手。スケジュール管理やらタスク管理やら。チームを指揮してスケジュール通りにモノゴトを進めるというのは超下手くそ。多分、新卒含め全員に負けると思うww。他にも様々な下手くそなこと苦手な事があるが「できない。下手だ」と表明しているので、周りが助けてくれるw もしデキるフリをしてたら、できない事を変なプライドで認めなかったら、チームは崩壊するだろう。恐ろしい...



知らない事は知らない。理解できてない事は分からない。こういう事を言えないと、「分かったフリ」のままで、ずっと本質的に理解がないまま、進んでいっちゃうと思うんだよね。

「分からない」って自認している人の方が成長する。
「できない」って自認しないと、それはいつまでたっても本当にできるようにはならない。

分からないから、それを必死で理解しようとするわけだし、教えを請うこともできる。でも、分かったと思ってる人はそれ以上、理解を深めないし、教えを請うこともできない。そこでストップ。できるに関しても同じ。

できてる。分かってる。

そう思った瞬間にその人の天井に行き着いたのかもね。残念。達人は、いつまでたっても、それが「できた」とは思わないだろうから。



みんな「そんな事はわかってる」と思うだろうけど、例えばさ、自分より年下の人間に、仕事上で分からないこと聞いてみたら?たぶん、聞けない人、多いはずだよ。特に後輩に対しては、できる先輩になってないといけないって思い込みが強いから。

そしてさ、『真摯さ』ってのは、そういうことだと思うよ。自分を隠さず、カッコつけず、ありのままの自分に向き合って、その、ありのままの自分を磨くために努力する。それが真摯さってもんじゃないかね。