2015.07.27 Mon

ダイレクト出版

コア・コンピテンス(中核能力)はなにか?

To: ダイレクト出版のみんなへ

From: 小川忠洋


ちょっと前にあるマネージャーからシステム開発の相談を受けていました。

彼はそのソフト開発にとても前向きだったんですが、(コストもそれなりだし)

ぼくは、全くその逆でした。彼にもその理由をフィードバックしました・・・


というのも、その開発は、

ウチのコア・コンピテンスつまり中核能力や

中核的な価値に貢献しないと思ったからです。


コア・コンピテンス、中核能力とは何かというと

企業が成果を出すための独自の能力のことで、

ウチの場合はWEBのダイレクトマーケティングや

セールスライティングになります。


また中核的な価値ってのは、

お客さんが他社ではなくウチを選ぶ、

本質的な価値とはなにか?ってことです。


これは何でしょう?

とても難しい質問です。


商品であることは間違いないのですが、

じゃあ、その商品のどんな所を

顧客は価値と感じて買っているのか?


って話です。この話をしていくと、

どんどん長くなってしまうので、

ぜひ自分で考えてみてください。


お客さんは一体何を価値として買っているのか?

何にお金を払っているのか?


んで、この開発案件に反対した理由は

(反対はしましたが、結局最終意思決定するのは、

 彼自身なので、その後どうなるかは分かりません)


この開発がこういった中核の部分、

コアの部分への投資にはならないと思ったからです。

顧客が本来、感じている価値は、

ソフトウェア上にあるわけではありません。

それは全く別のところにあるはずです。


コアの部分、以外に投資をすると、

その投資対効果は、非常に低く、

低いどころか返ってマイナスになる事がほとんどです。


なぜマイナスになるか?

それは事業が複雑化するからです。

それに時間も取られます。


ソフトウェアって開発しただけじゃなく、

開発の後のメンテとかが必要になります。

そして、思った以上に開発に時間が取られます。

簡単そうなイメージのものですら、

しょっちゅう打ち合わせに時間を取られて

仕様確定にとても時間がかかります。


そして出来上がったものに満足いくわけがなく、

あれを改良したい、これを改良したい、

とどんどん追加で仕事が増えるものです。


時間というのは有限ですから、

それに使った時間は、どこかから削らないといけません。

それは恐らく、モロにマーケティング活動だったりします。


中核の活動であるマーケティング活動が減って、

中核ではないソフト開発活動が増えれば、

全体でみて、業績が下がるのは、至極当然です。


ぼくもこれまでさんざんシステム開発には

関わってきましたが、開発が当初の予定通りに

(コストも期間も)進むなんて事はまーまずありません(笑)


コストも膨らむ、期間も膨らむ(笑)(笑)

手間はかかる。その上完成したらバグ対応に時間とられる

メンテがとても大変になります。


なので一見簡単にできるようなシステムでも、

それを本当に使えるレベルにしようと思うと、

膨大な時間とコストがかかります。


だから、冒頭の開発がコストもそれなりって事は、

バグだらけでメンテコストがめちゃかかるって事です(^^ゞ


ま、、、そんな話は余談ですが、

ポイントは、システム開発に限らず、

仕事の中心は、コアな活動であるべきだと

言うことです。そして、それ以外の活動に

大きな投資をする事は、


その投資のために何を犠牲にする事になるのか?


という事をよく考えなければいけません。

新しいプロジェクトでも新しい投資でも、

新しい事にイエスという事は必ず、

既存の何かにノーと言っているわけです。


新しい事がコア活動なら良いですが・・・