2015.01.28 Wed

ダイレクト出版

基準値

To: ダイレクト出版のみんなへ

From: 小川忠洋



人間、馴れとは恐ろしいもので

毎日の売上メールを見ていても、

1日100万円いったら以前は「やったー!」と思うのが

今では200万円ないと「ヤバい」と思うよになったり...


そのように思うようになるのは、

事実が変わったというよりも、

自分の基準値が上がったからに他なりません。


人間、自分の基準値と「差」があると、

不快な気分になるので、それを直そうと行動します。

(point:人は感情が変わると行動する)


しかし基準値の範囲内だと、

気分は全く変わらず、感情も動かないので、

それをどうこうしようという行動も起こさないのが普通です。


なので、一般的にがんがん行動して結果を出す人は

ものごとに対して高い基準値を持っています。


売上とか数値で出すと非常に分かりやすいので、

数値で例えましたが、本当に大切なのは「仕事において」です。


先週、ある部門のリーダーと

「このサイトちっとも変わってねぇーじゃねーか」

という話をしてたら、

「いや変わってとても良くなっていますよ!」

というような事を言われました。


あれ?見落としてたのかな?

と思って、iPadで見てみると、やっぱり思った通り。


そのリーダーは出来上がったサイトを

「とても良い」と判断していたようですが、

ぼくから見たら「素人レベル」でした。


※ちなみにこの手のケースは他の部門でも良く見かけます。

 出てきた成果物に対して、その部門のみんなが「いいねぇ~!」

 と言ってるので見てみたら超レベルが低いというようなケース。

 盛り上がってるその場で「これはクソだ」と言う事はなかなかできませんが、

 本来なら「品質」を上げるためにクソはクソだと言うべきと反省しています・・・

 それが「仕事に対する真摯さ」というものでしょう


話はもどって、その部門リーダーとの話。

率直に言って彼は一生懸命がんばり屋で仕事もできる方なので、

ぼくは好きなのですが、なんでこんな意見の相違がでるかと言えば、、、


基準値の違いですね。


単純にぼくと彼のウェブサイトに対する基準値の違いです。

ぼくは海外の素晴らしいサイトをたくさん見てるし、

日本一のデザイン会社の人ともつきあいがあるので、

こう見えても(笑)実はそっち系の基準値もそこそこ高いです。

(実現能力があるかどうかは別ですがw)


どんなに仕事ができたとしても、

基準値が低かったら、高い品質ものは出来上がりません。

なぜなら、そこそこで満足してしまうからです。


この基準値の高さで有名だったのが

言わずと知れたスティーブジョブズです。


出来上がったiPhoneのプロトタイプを水槽に入れて、

ぽこぽこ出てきた泡を見せて、

「この泡、全てがムダなスペースの証拠だ」

と言いました。つまりもっと省スペースで小さく設計せよと。


これはリーダーの見本となるような話ですね。


つまりリーダーの仕事の重要な一つは、

メンバーの仕事に対する基準値を上げることです。

基準値が上がれば、自動的に一生懸命がんばっていいものを作ります。


そしてリーダーというのは、何もマネージャー層の事だけを

言っている訳ではなく、部下がいる人だけを言ってるわけではなく、

何かの仕事において主体的に動き、周りの人間に影響を与える人です。


それはもしかしたら入社1年目の人かもしれません。


なので誰もが、お互いの基準値を上げる

という必要があります。低い品質、基準値のものを

「まぁいいだろう」と言って受け入れるのは、

一見、優しいように見えますが、

本人のためにも全くならないし、

顧客のためにも全くなりません。


ぜひ確認してみてください。


いま、ウチのチームの基準値はどうだろうか?


と。