2014.02.27 Thu

ダイレクト出版

上司の仕事

From:小川忠洋



あるプロジェクトの打ち合わせをしてたんだけど、

そのプロジェクトを実現するためには、

その担当チームのメンバーには

今までの経験、コンフォートゾーンから

飛び出ないとできないという事が分かった。


つまりさっきの話と重複してるが、

メンバーにとってとても「不快」なことを

やらなければいけないと。。。


「おお!いいねぇ!」

と僕は言っていたがそのマネージャーは

心配そうな顔つきだった


「なんでテンション下がってるの?」

と聞くと、やはりメンバーの事が心配だと言う。


メンバーがその仕事をやりたくない

というので反発がくるのではないかと。。。


この心配はとてもよく分かる。


自分も、正直言って部下に甘い方なので、

彼が何を心配しているか、何を考えているかはよく分かる。


しかし、上司の仕事とは何か?


よくよく考えてみて欲しい。


上司の仕事とは部下を成長させる事である。

それはつまり、「部下にチャレンジを与えること」

に他ならない。


人間誰だって快適な方がいい。

だから放っておくと快適な仕事のやり方を見つけて、

そこに定住するようになる。そうするとどうなる?

成長はぴったり止まる。


怖いのは、自分の成長は止まっているが、

外側の世界では、世界は動いていて、

気がついたら自分だけ取り残されている。。。

なんて事になりかねない。


だからこそ、上司の仕事は部下を

その快適な状態から引っ張り出して、

不快な思いをさせる事である。


やった事のない仕事をやらせる。

自分の力量より大きな仕事をやらせる。

怖いと思うような仕事をやらせる。


これが上司の仕事だ。


もしかしたら部下には嫌がられるかもしれない。

しかし、部下を成長させるのは、いつも

優しくて物分かりのいい上司とは限らない。

厳しくてうるさい上司の方がはるかに部下を成長させる。

なんてことはザラにある。


短期的には部下に嫌われるかもしれない。

しかし、長期的に見て、部下が自分の快適ゾーンに

いるままで本当にいいのか?という事を考えてほしい。

彼ら彼女らが年を取って、40,50になった時、

市場に出て、まったく戦力外になっていると、、、

そんな状況にして本当にいいのか?

ということを考えてほしい。


もし親が自分の子供を育てる時、

甘やかしてばかりで叱らずにいたらどうなるか?

厳しい状況、やつらい体験をせずに快適ボンボンと

育ったらどうなるか?


「バカ」になる。

他人に依存するバカになる。

3040になっても親のスネをかじってるバカになる。

現実にこういう人はたくさんいる。

 もちろんその年齢になったら矯正はできない、取り返しはつかない。


親の本当の愛情は、

子供に好かれようとする事ではなく、

子供に厳しいことを要求して、

「力」をつけさせることではないか?

自立して自分の力で生活できるように

「力」をつけさせることではないだろうか?


部下に対しても同じ。

会話の中で「おお!いいねぇ!」と言ったのは

別におれが"S"で人が苦しむ表情にエクスタシーを

感じる、、、とかいうわけではない


その過程で彼らがとっても成長するだろうから

「おお!いいねぇ!」と感じたわけだ。


筋肉と同じで、人は

"ストレス"がないと成長しない。

過度で慢性的なストレスは人をダメにするが、

ストレスフリーがいいわけではない。

それではなよなよの人ができる。


最近、落ちたボールペンを拾おうとしただけで

腰がボキボキッとか鳴るのは、車通勤で、おれの足が

とってもストレスフリーだからだ、、、(T_T)


そして今のウチにはストレスが足りないと思う。


忘れないようにしよう。

部下の基準は上司が作る。

上司が与えるチャレンジの分だけ部下は成長するし、

上司が与える仕事の基準が、その後の部下の人生でも

仕事の基準になってしまう。


昔、変な上司にぬるい基準を教わってしまった人は、

3040代でぬるい基準を持っていて、

なかなか戦力として機能しない。

果たしてこれが優しいといえるか?


会社という枠の外にでて、

市場に出たとき、周りの連中を見て

「楽勝やな」と思えるくらいに育ててあげないと。


市場に出て「おれ、やば」

とか思うようなら将来暗いでしょ。


「上司の仕事は部下にチャレンジを与えること」