2021.03.04 Thu

ダイレクト出版

信頼は一瞬で崩れる

To  : ダイレクト出版のみんなへ

From  :  小川忠洋


クライアントは人生かけて商品を創っている。

みんなにとっては、ただの一商品、一コンテンツに過ぎないかも知れない。だけれども、クライアントはそのコンテンツ、情報、知識を生み出すために、どれだけ時間とエネルギーをかけてきたのか?考えたことがあるか?自分が創り出したコンテンツ、は作品と同じ。子供のように愛情を感じるもの。そんな想いを想像したことあるか?

先日、あるクライアントに厳しい注意をもらった。と言うのも、対応があまりにもずさんだと。当該クライアントとのやりとりも雑だし、商品の販売を急いだのか、契約書の締結も、商品の収録、販売後に、ホチキス留めの適当なものを渡されたと。そこそこ売上がたったものの、販売後に見た契約書には固定金額でかなり安いと。(しかもその商品の中身には、許諾のないコンテンツが使われていて、著作権は弊社にありますと)

まず、契約書を後から交わすなんてことは、普通はあり得ない。相当な、信頼関係がある仲じゃないとできない。(それでも危ない)相手は、騙されたと思うのが当然で、詐欺で訴えられてもおかしくない。

ま、契約とか、法律とか、そういう問題は最低限の話としてある。とは言え、契約だから、合法だから、社内ルールでOKだから、何でもOKってわけじゃない。

人としてどうなのか?道徳的にどうなのか?

ということだ。単純に、仕事相手への気遣いがあるのか?相手の気持ちを考えられているか?という人として常識的なことが、契約やルールよりも、もっともっと大切なことだ。今回の件も、契約書を結ぶのが後だったとしても、内容に相手が完全に合意していて納得済みで、対応もよく気持ちよく仕事ができていれば何の問題もなかったろう。

つまり、何が言いたいかというと、段取りや手違いが悪かったのではなく、人として相手に気遣う、道徳心、モラルの問題だ。

信頼というのは、築くのに何年もかかるけど、崩すのは一瞬だ

というのをみんなも聞いた事があると思うけど、この話で良く分かるだろう。このクライアントは、もちろんウチから商品を出したいとは思わなくなるだろうし、「あの会社はこういう対応する最悪な会社」という印象を強く持つだろう。そして、その印象を覆すには、数年は間違いなくかかる。どんな事でも、酷い事をした当人はスグに忘れてしまうが、された方は、絶対に忘れない。最悪は、そのことを周りに忠告するようになる。「いや、あの会社とは付き合わない方がいいよ」と。

みんな個々人の対応は、個人ではなく会社の対応だ。社会的にそうなんだよ。

どれだけ先輩が、良い仕事をして信頼を積み重ねていっても、つまらないことで信頼はジェンガのように一瞬で崩れてしまう。結果、そのクライアントの先に居るはずの多くの顧客、あるいは他のクライアント候補を、失うことになる。

ただ、腹立たしいのは、クライアントを失うとか顧客を失うとか、そういった損害ではなく、、、礼儀や道徳の問題

ウチのクライアントと言えば、ほとんどの人がみんなのお父さんと同じ年代か、それより上の年代だ。もし、おれの父親が、今回のような対応を受けたら、マジで、怒りしか感じない。もし、みんなの父親が、20代の若造に舐めた対応されたら、どんな気持ちになる?

どれだけ頭が良くても、礼節や道徳に欠ける人間が、他人に影響を与えられるようになるはずがない。仕事ができてもモラルのない人間からは、どんどん人が離れていく(実際そういう人は、世の中たくさんいる)。顧客でもクライアントでも仕事仲間でもそう。相手に対する敬意や礼節をもった対応ができなければ、どんな関係だろうと、続けたくないと思われる。

この話、「へぇーそんなバカな事をしたやつがいるんだー」と他人事で済ませてないように。誰もがこうなる危険性をはらんでいる。自社の影響力が強くなり、態度が傲慢になり、自分より年上、目上の人に対する礼節を忘れて、ちょっと一歩、踏み外したらみんな同じ失敗を繰り返すだろう。

今、会社の業績はとても調子が良い。こういうときは、本当に緩みがちだから、みんなも気をつけるように!

以下、小学校や幼稚園で習った道徳だと思うが参考までに。孔子、孟子が説いた五常の徳。

五常(仁、義、礼、智、信)
仁:人を思いやること
義:私欲にとらわれず、道義を果たす
礼:敬意をもって人に接すること
智:感情的でなく理知的であること
信:心と言葉、行いを一致させ、信用を守ること

ちなみに最後の「信」は、ベーシックスの最初に出てくる「真摯さ」というのとほぼ同じだろうな。仕事は、個人の頭の良さだけではできない。ま、個人事業主くらいにはなれるかも知れない。でも、事業を創って社会に大きな影響を与えるには、仕事は組織で、つまり人と人との関わりの中でやらなければ、何も達成できない。スポーツと一緒で、ロナウジーニョでも1:11だったら高校生にも敵わないよ。その人と人とを結ぶ、つながりの線こそが、信頼であったり信用であったりする。なので、信頼を得られないこと、信頼を失うことは、仕事でも社会でも致命的なことだ。

注意しよう。

自分はできている。と思っている人間が一番あぶないので。