インテルの失敗
11月 6th, 2008インテルという会社をご存じだろうか?
パソコンを使っている人なら
恐らく誰しも知ってると思うがCPUという
パソコンの頭脳となる部品を作っている会社だ。
もともとはコンピュータ部品の半導体メモリを作っていた会社だが
日本企業の安価で品質のいいメモリに押され
より価値の高いCPUの開発・製造を行うようになった。
そして今から13年前にWindowsが普及するようになると
それまで企業にしか需要のなかったパソコンが、
一般消費者にも売れるようになり、
その結果爆発的に売り上げを伸ばすことに成功する。
その後は常に市場をリードし続け、
パソコンと言えばインテルのCPUというくらいに
圧倒的なシェアを獲得する。
しかし、そんな巨大企業インテルも過去に一度大失敗をしている。
インテルの基本的なマーケティング戦略は
CPUをひたすら高速化して市場にどんどん投入していくことだ。
これはパソコンが登場したときから一貫している。
パソコンというのは使えば使うほどデータが蓄積するので
どうしても除々に重たくなっていく宿命にある。
買ってすぐの頃はとても速いが1年、2年経つと
1つ1つの動きがとても遅たく感じられるようになってくるのだ。
そんな商品特性とインテルのCPU高速化戦略は
とてもマッチしていて、ユーザーは3年ほどすると
パソコンを買い変えたくなる衝動に駆られるわけだ。
そして、新しいパソコンが欲しくなったときには
常に最新の高速CPUが市場に投入されていて、
今よりも高速に動作するパソコンが電機屋さんに並んでいる
という状況を作り出している。
つまりCPUを高速化することは
インテルにとって利益の源泉になる重要なタスクなのだ。
しかし、パソコンはCPUだけで成り立っているわけではなく、
メモリやハードディスクなどの他の部品も存在するので、
こういった部品も同時に高速化していかないことには
パソコンは全体的に速くならない。
だから、インテルは常にパソコンをより高速にするために
自社のCPUを高速化するだけでなく、
メモリやハードディスクの製造メーカーと共に新しい規格を策定し
その普及を促進してきた。
10年ほど前、インテルが大失敗したとき問題になったのも
その新しいパソコンの規格だった。
当時、インテルはパソコン高速化の障害は
CPUよりもメモリの速度にあると考えて
パソコンに搭載するメモリを
次世代型の高速メモリにしようとしていた。
そして、莫大な予算を投入してそのメモリを
あるメモリ技術開発の会社と共同開発する。
だが、新しい技術を採用した商品は得てして高額になるもの。
何度かインテルは普及の試みを実施してみるが
次世代メモリの市場価格はなかなか下がらない。
インテルはメモリの製造は行わないので
自社の都合で市場価格をコントロールすることはできないのだ。
逆に現役世代のメモリはそれを尻目にどんどん売れていく。
そんな状況が数年も続き、
その結果それに対応した新しい部品も売れない。
最終的にその次世代メモリはパソコン市場では全く売れず、
さしものインテルもマーケットを前に次世代メモリの普及を
諦めざるを得なかった。
その後、インテルは大幅な赤字と共に
次世代メモリの普及を切り捨て、
マーケットの選んだ現役世代のメモリを改良する方向に
戦略転換を迫られることになった。
(細かな事情はもう少し複雑だが要約するとこのように展開した。
この失敗例が示すように
インテルのような市場を支配しているような企業であっても
マーケットの反応を読み違えると
良い技術や商品であっても売れないのだ。
そしてこれは僕らのような
ダイレクトレスポンスのマーケティングでも同じ。
マーケットを無視して、売れない商品に固執し、
売ろう売ろうあれこれ思索を巡らせても
結局は時間を大幅に無駄にしてしまう。
だから僕たちマーケターにとって重要なことは
1つは売れる商品を見つけること。
そして2つ目はその売れる商品の販売に
力を集中することだ。
最後の商品を買ってくれた顧客をリスト化し、
可能であればより高額な商品をオファーする。
これが最少の労力で最大の利益を生み出す
絶対普遍の公式だ。
さらに、一旦売れる商品が売れだすと、
そこからどんどんと利益を上げるための
最適化を施すことができる。
そして売れなかった商品もリスト化された顧客に
オファーすることができるので、
後々活用することも可能になる。
だから売れる商品というのは
ビジネスの中核を成す最重要ポイント
と言うことができる。
インテルは売れない商品に固執することで
巨額の赤字という代償を支払うことになった。
あなたのビジネスでもこのようなことが
起きていたら注意が必要だろう。
ー森兼
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